バルセロナ対レアルマドリーは両エースともに2発
- 2012.10.08
試合開始前のティト・ビラノバ監督のコメント『カタルーニャ対スペインの構図といった政治思想が、クラシコに入り込むことへの拒絶感』を聞いていたら、なにやら白熱しそうな試合展開が予想された。しかもプジョル、ピケの両センターバックともに試合欠場となると壮絶な撃ち合い戦を誰でも思い浮かべてしまうが、いざ実際に試合が始まってみると、両チームともにまだ本調子とはいえない状態で、特にバルセロナは球回しが今ひとつ。
●2010年07月18日 欧州強国の複雑な民族関係とは
ボールポゼッションサッカーを推し進めるバルセロナに対し、レアルマドリードは序盤から高いプレスで対抗していたが、シャビ・セスクはコンディションが良くないのか、それほどの有効打を打ち出すことが出来なかった。早い段階で先取点を挙げることが出来ないと、レアルマドリードの攻撃が盛り返すと思っていたら案の定、ロナウドの左足が電光石火の一発。それにしてもロナウドの振りは早い。ビデオを見ていると、力任せのシュートというよりも明らかにコース狙いで抑えた左足のシュートなのだが、それでもバルデスとゴールポストとの間を抜けていくということは、キーパーから見たらすさまじいスピードなのだろう。あの角度から左足でゴールを決めるあたり、さすがに面目躍如の感があるが、それはバルセロナも同じだった。
圧巻はメッシのフリーキックだが、カシージャスからすれば目の前の壁からいきなり飛び出してきて、しかもゴールポストへ巻き込む回転ではさすがに捕らえることは不可能。メッシ自身のパフォーマンスはそれほど悪くなかったのだが、セスクやシャビとの連携が今ひとつで孤軍奮闘といった感じだった。とはいえ、レアルバック陣が飛び込んでくる寸前、その鼻先で他者にボールを渡し、新たなパスコースを模索しながら、左に動き、右に動き、局面打開を図る戦法は相も変わらず。
ロナウドの一発のあとにベンゼマが放ったシュートが決まっていれば試合はどうなったのか分からないが、クロスバーを叩いたということは若干バルセロナに運があったような気がする。チャンピオンズリーグの合間を縫って行われるクラシコだけに両チームともに疲労の度合いが窺えたが、それにしてもブスケツとアロンソはともに両チームの守備の底をしっかりとこなしていた。アドリアーノがセンターバックに入るぐらいならばブスケツの方がとも思ったのだが、さすがに攻守の要としての存在感は充分。後半、出来ればビジャを投入して欲しかったが、イニエスタが回復途上でこれほどのプレイを見せるのだから、次回は彼らが本調子の時を見てみたいものだ。