オリンピックで韓国に負けた日本代表がちょっと情けない
- 2012.08.12
日本男子サッカーを語るときに金科玉条のごとく持ち出される、1968年メキシコ五輪の銅メダル獲得。現在であればオリンピックサッカー程度のレベルの大会で銅メダル獲得してもさほど意味はないが、当時は果たしてどれぐらいの価値があったのだろう。1945年の敗戦から数えると23年後の高度成長期時代。1964年東京オリンピック開催後や国威発揚の面から考えると偉業なのは確かだろうが、世界的な視野で見たときにその価値はどれぐらいのものなのか?
●オリンピックサッカー競技
これに対して男子競技は、ワールドカップとU-20ワールドカップの間の中途半端なカテゴリーとして捉えられることが多い。アジア、アフリカ、北中米カリブ海、南米の諸国は若年層の強化、あるいは五輪という大会のステータスを重視して力を入れることが多いのに対し、欧州では同年に欧州選手権があることも関係し、年齢制限つきの大会であるオリンピックサッカーへの注目度は極めて低い。また、シーズン開幕直後の時期の怪我や疲労を恐れ、所属する選手を五輪に出場させることに消極的なクラブも多い。特に優秀な選手を抱える欧州のビッグクラブではそれが顕著であり、欧州各国はもちろん、非欧州各国においても欧州クラブ側の抵抗によってベストメンバーを揃えるのに苦労するサッカー協会は少なくない。
さて男子サッカーが銅メダル獲得を賭けて韓国と試合をした。正直なところ、銅メダル獲得しても価値はないので、怪我しないことを最優先に捨て試合でもいいのではないのかと思っていた。出場選手の殆どがJリーグに所属しているのであれば、金メダル獲得の望みが潰えた以上、チーム事情を優先すべきだと思うからだ。なので計画的に負けたのであれば、それはそれで構わないが、ネットサイトを見ていたら、かなり怒り心頭の記事が目についた。
【長谷川健太】韓国戦の戦い方にブチ切れる
NHKラジオの長谷川健太
2点目取られてから無口になる
・後半30分ついにブチ切れる
「攻撃の意図のないパスなんか
何百本つないでも意味が無いんだよ、
韓国は0-2で負けてる日本の
<時間稼ぎ>に大喜びしていますよ」
試合終了後
アナ 4位です・・・惜しかったですねぇ日本
健太 私は全くそう思いませんけどね
アナ ・・・・
【サッカー/U-23】五輪 日本、韓国に0-2で敗れ4位に終わる ロングボールに対応できず失点、攻めも打開できず[08/11]
二つのサイトを読む限り、試合内容がかなりひどかった様子が窺えるが、NHKラジオの長谷川健太さんの解説はかなり熱い。後輩達の不甲斐なさに怒髪天をつくといった感じだが、こういう記事をもっと新聞やテレビニュースで取り上げて欲しいものだ。オリンピックに関して言えば主要新聞の見出しは常に、礼賛・持ち上げが多く、批判の記事はまず見られない。特にサッカーに関して言えば得失点以上に、試合内容の分析は大事。釜本邦茂さんの言うように「力負け。きれいなサッカーだけでは勝てないということ」の意味を、誰にでも分かるように解説する報道姿勢を見せて欲しい。