『五輪日本代表がスペインを撃破』した感想
- 2012.07.28
テレビを見ていると大相撲の地方巡業を見ることがたまにある。大相撲の普及を図ると共に地元との親交を深める必要があるのだろう、ご当地力士やあるいは将来の力士の卵と目される少年力士との取組を見ていると、微笑ましいものを感じるものだ。もちろん受けて立つ力士側が本気を出すことはもちろんなく軽く流すだけ。真面目にやるということは疲れるものだし、そもそも趣旨は親睦を深めるものだからだ。
さて何度かこのブログで書いているように、男子オリンピックサッカーはEURO2012という祭りの後の宴なので、正直見るだけ時間の無駄だと思っている。ブラジル代表のパトはオリンピックなんかに出ている暇があるんだったら他にやることがたくさんあるように思うのだが、とはいえ見る機会の少ないネイマールが登場するとなると少々見てみたい気もある。ブラジル代表のメンバーは豪華絢爛で、マルセロはともかくシウバを出場させていることからもやる気満々と言ったところか。
スペイン対日本の試合は見ていないので感想を述べることは出来ないが、日本がスペインに勝利したとの報道を読んで思い出したのは冒頭の大相撲の地方巡業。スペインは完全に相手を見下し、軽く汗を流すだけのつもりだったと思うが、予想以上に日本代表が力を付けてきているのに気が付いたときには時すでに遅し、修正することが出来なかったのだろう。
この勝利をもって日本がスペインよりも強いと考える短絡思考も困ったものだが、冷静に分析すれば価値はないが多いに意味はあるのだ。なぜなら今までは真面目にやらなくても勝利出来ると踏んでいた相手が想像以上に力を付けてきていることを彼らはようやく自覚したからだ。つまり次の対戦の時にようやく両チームの実力差が分かることになるのだ。
南アフリカワールドカップでもベスト16に進出したことからも日本代表は確実に力を付けているのは分かるが、メジャー大会三連覇を成し遂げたスペインフル代表との差はあまりにも大きい。彼らが真剣勝負をしてくれたらの話だが、おそらく試合になるまい。とはいえ結果として眠れる獅子の尾を踏むことに成功したわけだから、これからがいよいよ本当の戦いになるのだ。男子オリンピック代表チームがどこまで進めるのかは分からないが、勝ち続けることによりようやく『対等の相手』と認められ、次回から真剣勝負が始まる。
それにしても対戦相手の選手のプレイを分析し、このタイミングでこちらに切り返すはずだから、あるいはこのゾーンに来たときにはこういうプレイが多いとの情報を持って試合に臨むはずだが、名前すら覚えておらず『日本の11番はとても速かった』などと試合の終わった後に監督が言っているようでは、いかに危機感が足らなかったかの証左となる。