万華鏡のようにきらびやかなファサード-その2

  • 2012.08.28
By Black and Blue



三角形状のものを組み立てるときに一番難しいのは、三角形と三角形との間の目地幅だ。長方形であれば割と均一に目地幅を確保することが出来るのだが、三角形の場合は斜めに目地が走るために、ちょっとでも製作精度や取付精度が狂ってくると、左斜め上の目地幅と右斜め下の目地幅が異なってくるのだ。その目地幅を調整するために四苦八苦することになるのだが、例えるのならばモグラたたきのようなという比喩が一番分かりやすい。

左斜め上を調整すると、今度は右斜め下の調整が必要になり、その調整が終わると今度は右斜め上の調整をしなくてはうまくいかないといった感じの堂々巡り。平面上に三角形を置いただけでも、その調整に相当時間を取られるのだから、このファサードのように起伏に富んだ、いわゆる立体形状の三角形の組み合わせは相当大変だっただろう。ましてステンレス鏡面板の厚さは3ミリ前後あるわけだから、人力作業にしろ、重機を使用するにしろ、移動するだけでも困難極める。

とはいえその完成度はというと、細部拡大写真を見ても分かるように実に素晴らしい。当初の目論見である万華鏡仕上げのファサードパネルは階段の上部からもそして下部からも存分に楽しむことが出来るのだ。


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