僅かなスペースを利用したLED総合案内板
- 2011.11.09
1枚目と2枚目の写真をよく見ると、このLED総合案内板の薄さが分かるかと思う。元々はここはエスカレータの乗降口。おそらくはガラス全面張りで、ここには何も掲示されていなかったのだろう。ところがLEDを利用することにより、柱とガラスとの段差である30ミリ前後の空間にLEDを全面に敷き詰めて、上からアクリル板をかぶせて総合案内板に仕立て上げる施工方法を考えついたのだ。
これだけ空間が狭いと内部の照明器具の影が見えてしまうところだが、そこはデザインによって極力LEDの影が映らない工夫がされている。横方向の濃淡ストライプ、そして150角前後で配置された入居テナントのベタ張りシート。見ると、背景の濃淡ストライプとテナント表示との間には2ミリ前後の光が漏れてくる隙間が確保されており、小憎らしいまでに上質な仕上がりとなっている。
通常であればガラス全面張りの上に、さらに何かを重ねてサインを表現する手法というのはなかなか考えにくい。両側の細い角パイプを利用し、さらには30ミリ前後の段差をサイン本体の厚みに変えてしまう素敵な作品だと思う。