震災の克服に向かって

  • 2011.04.16
By Black and Blue

2011年04月09日(火曜日)読売新聞朝刊5頁より掲載


大震災以降、様々な新聞、雑誌やテレビ、そしてインターネットから情報を得て読んでいるが、個人的には読売新聞に掲載された曽野綾子さんのインタビューに頷ける箇所が多々ある。戦後日本が失ってきたもの、現在の日本の置かれている状況、そして今後どのように進むべきなのか、自分の体験談を元に的確に現況を分析し示唆している。「安心して暮らせる社会を作る」などあり得ないと一刀両断のもとに切り捨てるのは、過去長らく海外援助活動に携わってきた人間ならではの含蓄ある言葉で、おそらくは戦後殆どの日本人が抱いていた幻想なのだろう。

日常生活を見渡しても多くの面で日本人は受動的な姿勢が多いように個人的には思う。考え方の根底に『してくれるもの』『してもらうもの』『やってくれて当然』という意識が非常に強いためだ。未曾有の大被害をもたらした大震災を始め、人類の叡智をかけても未だ収束の気配すら見えずに予断を全く許さない福島原発。学校教育のあり方を含め、能動的な姿勢に転換する契機になるのかもしれない、そんな気がしている。