ファーストサーバで大規模な障害が発生している

  • 2012.06.23
By Black and Blue

レンタルサービスのファーストサーバで大規模な障害が発生している。現在同社ホームページのトップは障害専用緊急フリーダイヤルの画面が表示されており、事態が深刻なことを窺わせる内容となっているが、"【重要】インターネットサーバー障害途中経過のお知らせ"にも掲載されているように、最大の問題は『弊社でも全力でデータの復旧作業に臨んでおりますが、現時点では復旧可否、復旧度合などについてもお約束できる状況にはなく、長期間を要する可能性もございます』と記載されていることだ。

簡単に言えば、データが全部無くなりました。復旧の目途が立っていませんからその時はあしからず、というものだが、それにしてもサーバレンタルを主たる業務としている会社がバックアップを取っていたのか否かは分からないが、データ復旧出来ないとなるとこれは前代未聞。公式サイトにはその点の言及が一切ないためにあくまでも憶測の領域を出ないのだが、すでに発生から3日目に突入していることを考えると、かなり深刻な状況に陥っているのは否定出来ないだろう。

事態の流れを知りたい方は以下のサイトを読むとよく分かる。最初に掲載した『【大惨事】レンタルサービス「ファーストサーバ」で大規模な障害発生
データ全消去』が、一番分かりやすい。

●【大惨事】レンタルサービス「ファーストサーバ」で大規模な障害発生 データ全消去

●ファーストサーバ、サービス障害でWeb・メールデータが消失

一方、消失データに関しては、復旧作業を進めているが、復旧を保証できる状態にはなく、作業が長期間におよぶ可能性も示唆されている。メールに関しては、サーバー初期状態からメールボックス内のデータを可能な限り復旧しているとのこと。Webデータに関しては、一切復旧していないという。

●ファーストサーバ障害問題:「顧客のデータ消失は前代未聞」--ITR内山氏

障害はともかく、データセンター事業者によるデータの消失というのは前代未聞だ。バックアップを取っていなかったとすれば、利用企業としてはどうしようもない状況といえる。事業者としては、信用を失うことになるだろう。だが、これをユーザー企業が法的手段に訴えても、満足できるような補償は受けられないだろう。一般に、契約内容は障害時に「利用料を全額もしくは半額返還する」といったものであり、あくまでも企業が支払った金額が対象になる。

●大手サーバ「ファーストサーバ」障害! それってどういうこと??

6月21日未明、Twitterが大規模なダウンをしていたのは日刊SPA!でも既報だが、それ以上にとんでもない事故がこの日本で発生していた。

20日から、企業・官公庁ユーザーが顧客の8割を占めるレンタルサーバーサービス大手でYahoo!の子会社である「ファーストサーバ」が提供するレンタルサーバに障害が発生。なんとサーバ内に存在するウェブやメールなどのデータがすべて消失してしまったのだ。

「ホームページがアクセス過多で表示できない、という話ではなく、表示させるデータも何もかもなくなったということですね。また、ネット上で物品の販売を行うECサイトに関しては、気づいたら店が更地になってたというわけですから、商売には大打撃でしょう。また、サイボウズなどのデータが飛んだ場合、勤怠表などの人事管理データ、稟議関係のデータなどもぶっ飛ぶ。8割が企業顧客ということで、これはサラリーマンであれば業務に支障をきたすのはもちろん、小さな企業であれば深刻なダメージになる可能性がありますよ」(某社システム管理者)

「各社のシステム管理の担当者などは仕事にならないし大変でしょう。通常であればデータをバックアップするためにミラーリングやスナップショットなどを活用してるので、それらが生きていればレストアにもそこまで時間かからないと思うんです。それが全部ぶっ飛んだとなると……。さくらインターネットのクラウドサーバのデータが飛んだ事故も少し前にありましたが、今回のはそれ以上に大規模な障害でしょう」(同)

●ファーストサーバ障害:ユーザーの小林製薬「影響を測る術がない」

小林製薬では「今回(の障害で)どのくらいの影響があったのか、(インパクトを)測る術を持っていない」(同社広報)と不安な気持ちをのぞかせているが、「現時点でお客様(一般消費者)からのお問い合わせは確認できていない」(同社広報)ともコメント。製品情報はコーポレートサイトにも掲載しているため、消費者への情報提供は途絶えていないとの認識だ。

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