リニューアル前の広尾プラザの外壁サインはGoogleマップストリートビューで見ることが出来るが、鮮やかな色遣いで鳥が羽ばたく様子を描いた明るいデザインから、壁面全面に石を張り詰め、なおかつ半円形の飾り模様が際立つより上質なサインに生まれ変わったと言っていいだろう。

それにしてもこの施工は難儀を極めた。何も無いところに一から作り始めるのならばいざ知らず、既存の外壁を利用してリニューアルするとなると、既存寸法に合わせなくてはならないために寸法の調整がとても大変なのだ。あちらを立てればこちらが立たず、といった具合で中間値を取りながら一つ一つを組み立てていくために、作っては現場で確認しての微調整の繰り返し。特に半円形の飾り模様は四つ綺麗に揃えるのが難しかったが、こうして完成写真を見てみると寸法実測にだいぶ時間をかけたせいか、緻密な仕上がりで様々な角度から眺めてみても破綻が殆どない。イベントのある時には垂れ幕が下がり、無い時には壁面石が屹立する上品な空間を提供しているサインだと思う。

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